ハードチーズ

アボンダンス

アボンダンス

アボンダンスの特徴とは?

アボンダンスとは生産地のそばにある谷の名前で「豊饒な」とか「たくさんの」という意味で、名前の通り風味豊かで深みのある味わいのチーズです。
アボンダンス、モンベリアルド、タランテーズの3種の牛のミルクからつくられています。夏期は牧草地で、冬には乾し草を食べて育ちますが、サイレージ(家畜用飼料の一種でサイロなどで発酵させたもの)を与えることは禁止されています。

アボンダンスの特徴は、古いチーズの外皮を塩水で溶かした「モルジュ液」でチーズを拭いて熟成させることです。
そのためウォッシュタイプのような風味があり、ツウ好みのチーズともいわれています。
味わいはナッツのような香りとミルクのコクと力強さがあり、スイスのラクレットと似た感じもあります。

チーズの側面に製造日と製造者名を示すガゼインマークが記されています。
マークが楕円形のものは農家製で四角形は工場製なので、どこで作られたのか一目瞭然です。
同じ地域で作られているボーフォールやコンテと比較すると生産量が少ないのでもチーズ屋さんで見かけたらぜひ試してみて下さい。

アボンダンスの食べ方は?

そのまま食べてもとても美味しいチーズですが、ラクレットのようにオーブンで溶かしてジャガイモやパンにつけて食べると、また違った味わいが楽しめます。

チースフォンデュに似ている「ベルトゥ」というお料理もおすすめです。
アボンダンスをスライスして、ナツメグ・胡椒・白ワインなどを振りかけて、オーブン(200℃)で10分弱で出来上がりです。
ラクレット同様、バゲットやじゃがいもを添えていただきます。

アボンダンスは、辛口の白ワインやスパークリングワイン、やや重めの赤ワインなどが合います。
実は日本酒とも相性が良いので、熱を加えて溶かしたアボンダンスとマリアージュを楽しんでみて下さい。
その際には、ジャガイモのかわりに山芋にしてみると和風の味わいになり美味しさが引き立ちます。

種類ハードチーズ(加熱圧搾)
産地ローヌ・アルプ圏
原料乳牛乳(無殺菌乳)
AOC年1968年(1990年にAOPに移行)
熟成期間最低5ヶ月